【完】ボクと風俗嬢と琴の音
「でも…彼女が好きそうなお店知らないし…」
「そんなんあたしが調べてあげるよ!!六本木、インスタ映え お店 とかで調べればいい感じのお店出てくるでしょう!!」
「え?!大丈夫?!
あんな定食屋調べてくる人に頼むの不安なんだけど」
そう言ったら、琴子はぎろりとこちらを睨みつけた。
「そ・れ・は・ハルが好きそうな店だなって思っただけ!!
まぁ…あたしもああいうレトロチックなお店好きだけど。
イマドキ女子の事なら、同性代の女子の方が分かってるんだから!!」
「そ、そうか……」
「でもハルが女の子に興味持ってるなんて良い事だと思うよ~」
「何で?」
「だってあんた、あまりにも浮いた話がないからあたしはてっきりホモなのかと…」
「バカ!!ちゃんと女の子好きだし!」
あははは~と大きな琴子の笑い声。
左手に持ってる携帯でお店を調べてくれてるらしい。
右手でスプーンを持って、器用な事だ。
「でも意外だな。
ハルっていかにもモテそうな女の子がタイプなのね」
「…タイプってわけじゃないけど。
何となく似てるんだ…」
「似てる?」
そう、山岡さんはどこか似ている。
だから入社して初めて見た時もハッとした。