【完】ボクと風俗嬢と琴の音

「ぷ、くくくくく…」


「だから笑うなって…
つけてしまった手前恥ずかしいんだけど…」


「あははははは」


そして顔を上げて、いつもみたいに豪快に笑う。


「こじらせてんねぇ!!!」


「うるせ!!」



自分でもつけてしまった後に後悔。
何年も前の恋愛を引きずりすぎじゃないか。
つけられた先輩だって気味が悪いと思うだろう。



「まぁ、それは置いといて
どっちにしても恋愛はするべきだと思うの!!!

よぉーし!!ハルと山岡さんの恋愛大作戦だー!!!!」




何か

当の本人の俺より琴子の方がノリノリで

出会ってからずっとこいつのペースに巻き込まれている気がする。

でもそれが何故か居心地が良かったりする。

家族のように一緒に暮らして、物凄く仲の良い同性の友達のようでいて

手のかかる妹かと思えば、頼りになる姉御肌なところもあって

1日1日君の存在が大きくなっていくなんて

この頃は思いもしなかったんだ。


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