【完】ボクと風俗嬢と琴の音

指定された部屋の前まで行くと
そこが最上階のスイートルームである事に気が付く。



…こんな所を利用するなんて普通の金持ちではねぇよなぁ。
しかもデリヘルで利用する場所じゃない…。



インターホンを鳴らして、扉を開けると
そこには意外にも若めの男性が立っていた。
しかも高身長で、イケメンだ!!



最悪。とすぐに思った。



男は上から下までわたしを舐めまわすように見つめて、口をへの字にして大きなため息をついた。



「リップスから来ました~。ココです~!こんにちはぁ~」


それでも精一杯愛想を振りまいて
心の中で「チェンジしろ!」と願った。


「どうぞ」



願い空しく
仏頂面のまま、男は部屋の中へわたしを通した。



最悪。

リップスにはもっと可愛い子がいますよぉ~と声を大にして言いたい。



ハルよりは少し低いけど一般的には高身長。
短めの黒髪で、目鼻立ちの整った綺麗な顔立ち。
ハルもハルで整っているけど、また雰囲気の違ったイケメンだ。
少し吊り目で冷たそうな印象。

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