【完】ボクと風俗嬢と琴の音
こんな場所へこの若さで泊まれるなんて社会的に成功してる事は間違いないんだけど
こういったお客さんが1番苦手で厄介なんだ。
仕事でここにいる以上「イケメンでラッキ~!」なんて1回も思った事はなく
むしろ自分がイケメンって分かってる人って、俺みたいなかっこいいの相手に出来てラッキーだろ?とか高圧的な人が多いんだよ。
そーゆーの1番面倒臭いし、そーゆーのやってない!
一通り事務的な話をして
男は笑いもせずに無表情のままそれを聞いていた。
部屋は馬鹿みたいに広くて豪華だった。
まるで縁のないような場所。
しかし居心地が悪い。
「じゃあ、お風呂にはいりましょうか」
「お先どうぞ」
「あ、ハァ…。
もしよかったらお兄さんも一緒に入りませんか?」
「いや、結構」
…何こいつ。
全然笑いもしないし、やりづらいったらありゃしない!
何の為にデリヘル呼んでんの?!
マジできもい!!
口が臭い男より、説教臭いおっさんより、こういったいかにも自分偉いですって態度の男が1番ムカつく。
ひとりシャワーを浴びて、憂鬱な気持ちのまま体を洗う。
あ~~~~~早く帰りてぇ~~~~!!
つ~か何あの態度!!
別にデリヘルなんて呼ばなくたって彼女くらいいるだろ?!
むしろリップスじゃなくても金持ってんだから高級デリヘル呼べば?!