【完】ボクと風俗嬢と琴の音
シャワーから出て、それでも笑顔を作り「お先に~」と言って洗面所にあったバスローブに身をまとう。
さすが高級ホテルだね!!
そこらへんのラブホとは一味も違ってバスローブもふわふわ。
洗面所に取り付けられている化粧水なども超高級ブランドの物だった!
こいつが嫌な奴じゃなければ「持っていっていいですか?!」と聞いているところだった。
男はスーツのネクタイを緩めて
ベッドに寝転んでいた。
お。ヴィトンのネクタイ。かっこいいねぇ~!!
スーツも腕時計もよく見て見れば有名ブランドの物だった。
儲かってんねぇ~!心の中で下品な言葉を吐きまくる。
「お兄さんも、シャワー浴びてきたらどうですか?」
そう促すと、男は寝たまま「西城 大輝だ」と言った。
さいじょう だいき ??
「西城さんって言うんですか~!
かっこいい名前ですねぇ~!」
何だこいつ。
ご丁寧にフルネームまで名乗っちゃって。
きもッ!
「あんた、ココって言ってたよな?」
「は~い!リップスのココでぇーす!
それより西城さん~シャワー浴びてきてくださいよぉ~
時間がぁ~」
「すっげぇ小さいな」
だから話聞けや!
なんや、こいつ。
「あ、身長ですか~?
西城さんは大きいですねぇ~!」
「ふん、179センチだ」
やっぱりハルより少し小さいな。
それに優しさの欠片も感じられない、生意気そうな顔。
イケメンなのは認めるよ?!でもさ…その態度。