【完】ボクと風俗嬢と琴の音
最低最悪の愛撫。
優しさの欠片もありやしない。
わたしを金で買う男だって、建前上は優しくは見せるもんだよ。
あろうことに西城大輝はわたしの足を強引に広げて、自分の物を挿れてこようとしやがった。
これは、レイプだ。
ぷちん、と何かがブチ切れた音が頭の中で響いた。
その瞬間、力いっぱい大輝の股間を蹴り上げていた。
「なんしよっと!!!
デリヘル嬢や言うとるやろ!!!
いくらお金積まれても本番はせん言うとるやろ!!!」
大輝はその場で体を丸めて震えていた。
そこ、急所ですもんね。
涙目になりながら、こちらを睨みつける。
ヒィッ!怖ッ!
「そげん女自分ば思い通りにしたいったらソープ行けばいいやろっ!
いい加減にしとき!!」
「おまえ………」
股間を押さえながら睨みつける、大輝。
時すでに遅し…。
わたしは大慌てで洋服に着替えて
ベッドに舞い散った1万円札を2枚手に取り、財布の中からお釣りを出してその場に投げ捨てた。
そして逃げるようにその部屋から出て行った。