【完】ボクと風俗嬢と琴の音
「性格は、ツンデレです…」
「それは意外!!」
「はぁー…そうっすかぁー…」
「意外に手のかかる子がタイプなのね~
ことなかれ主義の井上の事だから、聞き分けの良い子が好きだと思ったー」
その夜
木村さんはこの1週間のストレスを吐き出さんばかりか
飲むに飲んで、酔うに酔っぱらって
その後は自分の恋愛話を延々と続けた。
彼氏は5年いないけど
ずっと仲の良い男友達はいて
でもきっと相手には女としては見て貰えてなくて
それでも友達として仲良く出来るのであれば、このまま想いは届けないでいいと
笑って、泣いて、意外にも女らしい一面があるのを知った。
こんな仕事が出来て完璧な美人でもこんな悩みがあるのだと
早く帰りたいと思いながらも真剣に話を聞いて、朝方まで木村さんは帰してくれなかった。
「あーーー頭が痛ぇ……」
翌日
案の定木村さんは二日酔い。
青ざめた顔をして、大阪駅でうなだれていた。
「頭痛薬ありますけど飲みますか?」
「そんなん常備してんの?
下手な女より気が利くね……」
ポカリと薬を片手に、木村さんは駅内のカフェ内でテーブルに突っ伏していた。
「木村さん、俺お土産買ってきていいですか?」
「あーーーー忘れてたーーー」
「会社の分も俺買ってきますよ。
木村さんは休んでてください」
「井上すまんねーーーー…
あぁ何で昨日あんなに飲みすぎてしまったんだろ…」