【完】ボクと風俗嬢と琴の音
コンビニではなくスーパーに行って
食材を買って
炊飯器でご飯を炊いて、小分けにして冷凍しておく。
主婦か!?と友人たちには突っ込まれるけれど
自分でも思う。
今どきの若者らしくない。
自分で作った炒飯をテーブルに並べて、缶ビールを取り出しテレビをつける。
座椅子では琴音が安らかな寝息を立てている。
勿論人間に場所を譲ろうとなんてせずに、俺は琴音の隣に座って、缶ビールを空ける。
まぁまぁだけど自分で作るご飯はどこか味気ない。けれど、それだって悪くはない。
食べ終わってすぐに皿を洗って、ついでに台所のシンクのお掃除。
週末には結構細かいところまで掃除をするのだが、毎日の積み重ねというものは大切なもので、毎日するのとしないのでは全然違う。
生ごみを三角コーナーにまとめて、ついでに琴音のご飯入れも綺麗に洗う。
性格なのか、生まれ持ったものなのか
今朝部屋に干してあった洗濯物を丁寧にたたみながら思った。
つまらない男、だと思う事だってある。
平日は仕事をして、残業もしなくてはいけない日もあって
体も精神もぎりぎりまですり減らしながら月曜日から金曜日まで働く。