【完】ボクと風俗嬢と琴の音
「や……何となく。
だって何回もデートっぽい事してるんでしょ?!
ヤりたいだけだったらそんな面倒臭いプロセス挟んだりしないって…
それに話聞いてる限り良い人そーじゃん……」
「そうかなぁ…
そうなのかなぁ…
うーん…。
でも普通の昼職してる人だよぉ…。
お店で出会ったわけじゃないし…わざわざキャバ嬢なんかと付き合わないよー…
もっと良い人いっぱいいるし」
ユカリが珍しく弱気。
気は強いタイプなんだけど、恋愛になると途端に女の子らしくなる。
あぁ…
ハルとわたしで間に入ったら話は早く進むのだろうか。
けれど優弥くんもユカリもわたし達が一緒に暮らしているなんて夢にも思っていないだろう。
もどかしいいいいい!!
「今日当欠しちゃおっかなぁ」
ユカリがちらりと携帯の時間を見た。
当欠とは、当日欠勤だ。
キャバクラでも風俗でもよくある話。
しかしキャバクラの当日欠勤は大きな罰金が発生する。
「何かもやもやする!!
琴子!今日はホストに飲みにいこっか!!」
「いやいや!ユカリ!
それはお店に失礼だし
それに優弥くんに気持ちがあるとしたらホストに行くとか
それって何か違くない??
ここは真面目に仕事をして、優弥くんの事をきちんと考えるべきだよ!
ヤケになっちゃダメ!!!」