【完】ボクと風俗嬢と琴の音
その日はそれでユカリと別れた。
家に着いたら21時過ぎていた金曜日。
明日は土曜日。
仕事は休み!ハルも休み!
少し楽しみな事が待っているのだ!!!!
ちょっとだけお酒も入って浮かれ気分で家路と急ぐ。
9月。
まだまだ暑かったけれど、秋って気持ちもウキウキする。
秋服も可愛いし~!まぁ絶賛節約中だから何でもかんでも買えないんだけどさぁー。
バックをぶんぶん振り回しながら道を歩いていたら、たこ焼きキーホルダーが揺れた。
ほんっと!可愛い!!
「ただいまぁーーー!!!!」
玄関のドアを開けたら、琴音がダッシュでやってきた。
毎度毎度おなじみ。
でも何度出迎えられても飽きのこない可愛さ。
「おかえりー。
遅かったねぇー。あんまり遅くなるなら言ってよー。駅まで迎えにいくのに」
こいつってすごいなって思う。
彼女でもない女にこんな言葉さらりと言えるあたり。
でも狙ってやってるわけではなくて、それはこの人が持っている優しさなのだ。
無意識で人に優しく出来てしまう人な訳で、わたしが特別ってわけでは断じてない。
「大丈夫だよー。」
「危ないでしょ。女の子が夜にひとりで歩くなんて」
ハルが手に持ってる猫じゃらしで琴音はパンチしながら遊んでいる。