【完】ボクと風俗嬢と琴の音

山岡さんだって、ハルの事きっと好きになる。
知ったら知った分、好きになる。


布団を被って眠ろうとしたら、琴音の首の鈴がチリンチリンと鳴って
わたしの布団に寄り添うように寝始めた。
…今日はわたしの日か。
やっぱり、猫のいる日々ってのはいいもんだ。





翌朝、午前8時に目を覚ますとハルは既に起きていて
洗濯物をお日様の下で干していた。ついでに布団も。

勿論洗濯物は別々。あたしも今日洗濯回そう~っと!!



「おはよう」


「おはよう~!休みなのに早起きな事で」


「ふぁー眠い。天気予報だと明日も晴れらしいよ。
琴子明日仕事だろ?リビングに布団投げておいてくれたら干しといてあげるよ」


ハルはジャージのまま、大きなあくびをした。


「マジ!!サンキュ!!
あたしも洗濯回そう~!!
それにしても良い天気だね」


洗濯機に自分の洗濯物をいれて、ボタンを押すとくるくると洗濯機が動き出した。

その間にメイクをして、髪を巻く。
お気に入りの服を選んで、その頃には洗濯も終わっていた。

すっかり服を着替えたハルが鏡の前で髪を軽くセットしていた。
鏡越しに目が合うと「少し髪が伸びたかな?」とこちらへと投げかけてきた。
真っ黒な短い髪。その髪先を撫でる、ごつごつとした大きなてのひら。

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