【完】ボクと風俗嬢と琴の音
休日は平日より1時間寝坊して、布団を干す事から始まる。
平日より念入りに掃除。
台所、洗面所、お風呂、トイレの水回りは念入りに。
掃除機をかけて、テレビ周りなど細かい所の埃を落として
スーパーに行って、特売の品を見つけて小さな幸せに浸る。
基本は家に居てゲームをしたり、パソコンを開いてインターネットサーフィンをして
でもたまに外に出て行く場所といえば、ひとり映画、ひとり美術館、ひとり博物館。
たまに図書館に行って本を借りてきて、静かな休日を過ごす。
その自分の世界に彼女が入り込む事は考えられない。
俺と居たって楽しいとは思えないし、逆に相手に気を使わせそうだし
優しい人ってよく言われるけど、俺は自分のペースは自分以外に乱されたくない
実は物凄く我儘な人間だと思うのだ。
けれどふとした瞬間、寂しくなる時がある。
自分の寂しい時だけ誰かと何かを共有したいって思う事は、物凄く我儘な事だって知ってるから
あえて口にはしないけど
大都会東京の中で
たまに心にぽっかりと穴があいたような気分になる日があって
たとえば本当に小さな事でいいんだ。
今見ているテレビが楽しかったら誰かに伝えたくなって、嬉しい事があれば誰かに報告をして
ひとりが好きなのに、誰かと喜びを共有したいなど、まさに我儘そのもので
そんな自分勝手な俺の我儘に誰かを付き合わせるのは申し訳ない。