【完】ボクと風俗嬢と琴の音

「仕事が忙しいとかって…」


「いや、本当に仕事が忙しいんだろ…」


「でもさーなんか前と態度も少し変わったっていうか…」


「もう…
優弥から告白しちゃえば?
そんな風に相手の事ばかり考えたり悩んだりするなんてもう好きじゃん」



「自信ないよ、俺……」


何故いざとなると自信がなくなるのだろう。
どーでもいーことには自信満々なくせに。

本当に人を好きになると、その分人は憶病になる生き物なのかもしれない。



「お前はいいよなー、お前はー」


あぁ、ユカリちゃんの気持ちを優弥に伝えてあげたい!!
でもこの2人のモヤモヤはもう暫く続く事になってしまうのだ。




「おつかれさまです」


「あ、おつかれさまです!!!!」


今日は取引先へ行ってから直帰の予定。
受付で山岡さんに会うと、彼女は笑顔でこちらへ話を掛けてきた。


「ふふ、井上さんってやっぱり面白い。
さっきもエレベーターから降りてくるのずっと見つめていたら
ぼーっとしてたのか何人かにぶつかってひとりひとりにぺこぺこ頭下げてるんですもん」


「いやーお恥ずかしい……」


デカいからその分他の人にとって邪魔なんだよな。
やっぱりデカすぎるのも良し悪しだ。


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