【完】ボクと風俗嬢と琴の音
意外………。
傲慢で、ただの嫌な奴かと思っていたし
もう二度と会う事なんてないと思っていた。
「正直風俗嬢を下に見ていたのは確かで」
はっきりと言ってくれる。
でもそういうの嫌いじゃない。
偏見なんかないよ!って綺麗ごとを吐きながら、自分の中の欲望を満たす男にはうんざりしていたから。
「でもあの時は完全な八つ当たりだった」
へぇ、結構素直な奴じゃん。
それにもしかして今日呼んでくれたのって
「今日呼んだのは別にそのプレイをしたかったとかじゃなくて
この間のお詫びを言いたかっただけで…。だからまぁ!ゆっくりしていってくれ!」
「ふっはははははは!!!」
思わず大きな笑い声が出てしまって
大輝はびっくりしたように目を見開いて、怪訝な顔をしてこちらを見つめた。
「真面目かって~!!!
何も気にしちゃいませんよ!!
こちらこそ、この間はひったくりのごとくお金を持っていってごめんなさい!
後…蹴っちゃってごめんなさい!痛かったでしょう?!」
そう言えばと思い出したかのように大輝は身を縮めて「いてて」と言った。
「いま思い出したら、また痛くなってきたわ。
あんた、あれはありえないだろ!!!」
「強姦されそうになったんですから、正当防衛ですよっ!
ふっ、あの時の西城さんの顔ったら!」
「女に股間蹴り上げられたのは初めての経験だったわ。
再起不能になるかと思った」
意地悪く言って、笑った。