【完】ボクと風俗嬢と琴の音
おやおや?こいつ案外悪い奴じゃない?
それは単純な考えか?!
ルームサービスが届いて
見たこともないような高級料理がテーブルに並ぶ。
キラキラと目を輝かせるわたしに大輝はまた馬鹿にしたように笑ったけど、あの時みたいに嫌な笑いではない。
そして大量の料理を綺麗に平らげて
その様子に大輝は驚いていた。
「普通女は男の前でこんながつがつ食べない」と謎理論を口に出しながら
その頃にはすっかりと普通に話し込んでいた。
意外に普通の奴。
西城グループの御曹司っていったら私たち一般人とは住む世界が違う人かと思っていたけど
大輝は普通に自分の仕事の愚痴とか、趣味はサッカーだとか
そんな普通の話ばかりしてきた。
この間とは別人のようで、時々笑顔を見せて、でも冗談でわたしを小馬鹿にしてきたりもして
食事が終わるころにはすっかりと打ち解けていた。
「ふぁ~お腹いっぱいですぅ~もう動けない~」
ふかふかのソファーでゴロゴロとし始めると
「猫みたいだな」と口に出した。
ガバっと起き上がり「猫が好きなの?!」と聞くと「嫌い」とはっきりと言った。
「ふ~ん。つまんないのぉ~」
「何?猫好きなの?」
「うん!!うちの猫の写真見る?!
超可愛いんだよぉ!!」