【完】ボクと風俗嬢と琴の音

あぁ今は山岡さんと楽しい時間を過ごしている。
おしゃれなお店でおしゃれなワインを飲んで
もしかして急接近しちゃったりして、今日いきなり付き合いだしたりして!!
それはそれでいいんじゃないかな?互いの事をよく知らなくても付き合っていくうちに知っていくのもまた良い。
ハルの事を知ったら、山岡さんだってもっともっと好きになってしまうよ。
てか、今日もしかして帰らなかったりして!?
いきなりホテルとか?!ハルって案外やるじゃん。



独り歩きした妄想は膨らんでいくばかり。お酒の力も相まって。

瞼が段々開かなくなっていって うっすらと開く離れかけた意識の中で

秋の夜空の下で歩くハルと山岡さんの姿が想像出来た。



ハルはきっと、山岡さんの歩幅に合わせてゆっくりと歩いてくれる。
わたしと一緒に見た夜空を指さして
月が綺麗だね、と彼女にも微笑みかけるんだ。
わたしにしてくれたのと同じように。



そんな事を考えながら、いつの間にか夢の中に堕ちていた。

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