【完】ボクと風俗嬢と琴の音

たこ焼きキーホルダー可愛いと思ったんだけどな。
山岡さんの趣味に合わなかったみたいだし
同じものを見て、同じものを食べて
楽しさを共有出来るようになるのだろうか。


実際昨日の俺は、本来の自分の話はしなかった。
本来の俺を知ったら、山岡さんはどう思うだろうか。



「そういえばさ!!!」


「おわ!!いきなりなんだよ!!」


「ハルに話したい事沢山あったんだよぉ~~~!!!
だから昨日待ってたんだけど~眠っちゃったぁ~!!!」



チョコレートをつまみながら、琴子は言った。
あ、うちの新製品。
コーヒーにも合うビターな大人の為のチョコレート、だっけか。宣伝文句。
いま話題の新人女優をCMで起用した。



「ん?食う?」


チョコレートを1個こちらへ渡してきた。
自社商品なんだけど……
受け取ったらビターな味がした。コーヒーのお供にはちょうど良さそうだ。


「あんまり甘くなくていい感じ。
最近はハルの会社の新商品コンビニで見かけたらついつい買っちゃう。

それでね、昨日本指名のお客さんに呼ばれたかと思ったら
それが西城大輝だったんだよねぇ~、超びっくりしちゃったよぉ~!」




ハルの会社の新商品か…。
まぁ開発部ではないけど

って!!!

思わず飲んでいたコーヒーをぶっと吹き出した。

余りにもあっけらかんと言うもんだから。

< 205 / 611 >

この作品をシェア

pagetop