【完】ボクと風俗嬢と琴の音
「もしも、お友達も良かったらだけど
あれ?!君、合コンに来ていた女の子だよね?!
晴人覚えてる?!お前と一緒に消えた女の子。
こんな偶然ないって一緒に飲もう!」
ハルは苦笑いで、ゆっくーりと首を傾げた。
さいあく、だ。
「だから、あの日は駅まで送っていっただけだし
すぐに帰ったよ。
今日も一瞬見た時誰か分からなかったし」
ハルに合わせるようにうんうんと頷く。
実際ユカリにも会話もろくにせずに駅まで送ってもらっただけだと言っておいた。
「でも俺ァー、晴人が女の子とああやって抜け出すのは初めて見たからねぇー
あ!琴子ちゃんグラス空いてる。同じのでいい?」
「あ、ありがとうございます」
「すいませーーーーん!レモンサワーふたつー!」
ハルのお友達の優弥さん。
合コンの時は席が離れていたし、これと言って印象はなかった。
でも会話の中心は彼で
よく喋ってよく笑ってよく飲んで
そして程よく気を使ってくれた。
背はそんなに高い方ではなかったけど、犬みたいにコロコロと変わる表情が愛らしかった。