【完】ボクと風俗嬢と琴の音
「へぇ、優弥くんもああいう子タイプなんだ?」
「いや、俺はどっちかっていうと綺麗系の方が好きかなーって!」
ユカリの怒りが伝わったのか
優弥さんは焦りながら否定をした。
「女の子らしいものねー
仕事が受付っていうのもいいしねー
優弥くんにもああいう女の子の方がお似合いよ」
「いや、別に俺タイプとか言ってないし。
ユカリちゃんこそ晴人の事かっこいいとか褒めてたけど、こういう感じの男が好きなんだろ?!」
やばい。
何か険悪な雰囲気。
この人たちお互いが好きあってるんだよね?
「そうね。
井上さんは誠実そうだし、女の子誰にでも良い顔するってわけでもなさそうだし
家事が趣味っていうのもあたしは全然いいと思うし
あーーーー美麗ちゃんがいなかったらぁーって思っちゃうーざんねーん」
ゆ、ユカリ。
絶対そんな事思ってないでしょ?!
ユカリは優弥さんから顔をツンと背けてビールを口に運んだ。
段々と重苦しい雰囲気になってしまう。
「おい、優弥」とハルが宥めているけど、優弥さんは優弥さんで意地っ張りのようだ。
「ゆ、ユカリさんは付き合ってる方はいらっしゃるんですかぁ?」
話を変えるようにハルが言った。
「いませぇーん。
あら、井上さん、美麗ちゃんやめてあたしにしてみます?」
「いやーあはははー」