【完】ボクと風俗嬢と琴の音
あはははじゃねっつの!
何とかしろって。
この重い雰囲気。
ユカリ、素直じゃないなぁー…。
「ダメだって!ユカリちゃんそれは……」
「はいはいそうですねぇー。
あたしは美麗ちゃんみたいに清純派じゃないし、可愛くもないですもねぇー」
「そんな事ないよ!ユカリちゃんは美麗ちゃんより可愛いし、綺麗だ……」
優弥さんが真剣な目で、ユカリを見つめる。
その言葉にユカリはびっくりして、顔を真っ赤にさせる。
「それに性格だってサバサバしてるのに優しいし
しっかりものだし、とにかくユカリちゃんは素敵な子だよ!!」
力説する優弥さん。
顔を真っ赤にさせるユカリ。
見ているこっちの方が恥ずかしいったらありゃしない
結局お互い好き合ってるだけじゃん!!
「優弥くん……」
ガヤガヤしている昭和レトロチックな店内。
今歌舞伎町でここが1番ホットスポットなのは間違いない。
「あのー…
俺…そろそろ帰らなきゃ…」
ハルが遠慮がちにふたりに言って席を立つ。
けど、ふたりは人の話なんかもう聞いちゃいない。
「あたしも…そろそろ……」