【完】ボクと風俗嬢と琴の音

「インスタ?」


「ん~?」


さっきまでベラベラ喋っていたかと思えば、眠そうに目を擦りながらこっちを向いた。


「何か連絡がすごい来てて」


「連絡?」


「そお。この間話したよね?
西城グループの御曹司。

大輝から、あの人暇なのかなー。連絡返さないと怒るんだよ?」




西城グループ御曹司。
西城大輝。



「へ?何で連絡取ってんの?つーかお店にまだ来てんの?」


「あれ?あたし話してなかったっけ?
あの人あれから週の半分くらいあたしを本指名してくんの。
暇なんだね、社長の息子なんだから次期社長って事でしょー?
しかも本指名して6時間コースとかロングで取ってくんの。でもプレイは一切しないし、本当に変な人だよ大輝って
まぁ仕事楽ちんでラッキーって感じだけどね~」




そう言って琴子は返事を返してる。

おいおい待て それって。

西城グループの御曹司が早々暇な訳ないだろう。
それは時間を作って、わざわざ琴子に会いに来ているとしか…思えないんだが。
しかも’大輝’って…何ただの客とそんな親し気なんだよ。




「仕事の客と個人的に連絡って取るものなの…?」


「いや取らんよ。
教えないし、それこそトラブルの元になりかねないからね」


じゃあ何で連絡取ってんだよ!!

< 232 / 611 >

この作品をシェア

pagetop