【完】ボクと風俗嬢と琴の音
「インスタ?」
「ん~?」
さっきまでベラベラ喋っていたかと思えば、眠そうに目を擦りながらこっちを向いた。
「何か連絡がすごい来てて」
「連絡?」
「そお。この間話したよね?
西城グループの御曹司。
大輝から、あの人暇なのかなー。連絡返さないと怒るんだよ?」
西城グループ御曹司。
西城大輝。
「へ?何で連絡取ってんの?つーかお店にまだ来てんの?」
「あれ?あたし話してなかったっけ?
あの人あれから週の半分くらいあたしを本指名してくんの。
暇なんだね、社長の息子なんだから次期社長って事でしょー?
しかも本指名して6時間コースとかロングで取ってくんの。でもプレイは一切しないし、本当に変な人だよ大輝って
まぁ仕事楽ちんでラッキーって感じだけどね~」
そう言って琴子は返事を返してる。
おいおい待て それって。
西城グループの御曹司が早々暇な訳ないだろう。
それは時間を作って、わざわざ琴子に会いに来ているとしか…思えないんだが。
しかも’大輝’って…何ただの客とそんな親し気なんだよ。
「仕事の客と個人的に連絡って取るものなの…?」
「いや取らんよ。
教えないし、それこそトラブルの元になりかねないからね」
じゃあ何で連絡取ってんだよ!!