【完】ボクと風俗嬢と琴の音
「でも大輝は超強引に携帯取られて連絡先交換させられた…
何か友達みたいな感じだよ。
ヤバめなストーカー客になりそうなタイプじゃないだろうし
お金持ちの道楽?なんじゃない?」
危機感がなさすぎる。
自分を襲った奴だぞ?!
「でもそいつヤバい奴じゃん」
俺は少し焦っていたのかもしれない。
それが伝わってしまっていたのかもしれない。
顔にも出ていたのかもしれない。
琴子は笑って「ヤバくないって」とだけ言った。
いや、ヤバいだろ。
初めて会った人間を襲って
金ばらまいて好き勝手しようとしたり
大会社の社長の息子か何か知らないけど、欲求を満たす場所で何もしないで
6時間も一緒に時間を過ごしたいなんて
普通じゃないだろ。
「でもさ…おかしいじゃん。そんなん」
「金持ちつーのは少し頭がおかしいのが多いのかもね」
「いや、そーゆー問題じゃなくって!」
少し強めに言ったら琴子は驚いたのか目を丸くして、俺を見つめた。
「なんてゆーか…
そいつ、琴子の事が好きなんじゃないか?」
更に琴子は大きく目を見開いて
そして口を開けて大笑いしながら床に転げた。
「あーははははははは!!ひー!大輝がぁ?!あたしを?!
馬鹿じゃん!ハルはもーひーあー笑いが止まんない!
真剣な顔をして何を言うかと思えばーーー」
「だってそうじゃなきゃおかしいって…」