【完】ボクと風俗嬢と琴の音


「……………。」


目の前には牛丼。
大盛りの牛丼。
いや、琴子が頼んだ奴は、メガ盛りか?

つーか休みだっつーのに結構人がいるな。
平日だったらサラリーマンやらが沢山いるのは理解出来るけど
しかし、客層はかなり高いな………。



「いただぁきまぁーーーーす」


ここは某どんぶりチェーン店。
俺だって好きだけどさ。

せっかく都内まで出てきて、琴子がリクエストしてきたのは何の変哲もないどんぶりチェーン店。
しかもメガ盛り。この小さい体のどこに入っていくのやら。



「ほんとーにここで良かったのか?」


「んぐ?」


「普通女子というのはパスタとか」


「だっておいひいひ」


口に物を詰め込んだまま喋るな!


「半熟卵は牛丼に1番お似合いな食材だと思っています」


「いやうどんだろ」


「むぅ、それも捨てがたい…
んー…
だけどラーメンっつー手も」


そんな事を真剣に悩むな。
メガ牛丼。お味噌汁と漬物つき。
トッピングに半熟卵。


1000円もいかないお手頃ランチ。
でも彼女は口を横に拡げて おいしーい!と何度も笑顔を見せるんだ。
100点満点の笑顔を見せるんだ。


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