【完】ボクと風俗嬢と琴の音
家に帰って来て
琴子が琴音と遊んでいる間に
鍋の材料を切っていく。
やっぱり鍋っていいよなぁー。
ひとりだと鍋にしようって気にもならなかった。なんか寂しくて
琴音は一緒に食べれやしないし、鍋っていうものは2人以上でするもんだ、やはり。
しかしこれって普通だったら反対だろう?
まぁ俺たちらしくていい…のか?
「ハルーーーーーー
琴音って大きくなったよねぇーー?」
「そりゃ猫も成長するだろう」
「せいちょ…
お前、まさかあたしより大きくなったりしないだろうね?」
キャットタワーに登る琴音に対して真剣にそんな事尋ねるもんだから
キッチンの中から大笑いした。
なるわけなかろう。阿呆。
鍋の用意が出来て、カセットコンロをセットしてテーブルに置く。
結局キムチ鍋にする事にした。
ぐつぐつ煮えている様子を、琴子はじーっと見つめていた。その後ろで琴子の肩に乗った琴音もじーっと見つめている。
こういうの見るとたまに姉妹かって思う事がある。
「そーいえばさー」
「んー?」
「お昼に話した事だけど」
「あぁ半熟卵には何が1番合うかって?」
「それじゃねーよー。
付き合うだとか好きだとかそう言った話ー。
ハルと山岡さんの話」