【完】ボクと風俗嬢と琴の音

「あぁ…」


「あたしはさ
ハルってちょーーーーーいいやつだと思ってんのよ。
お母さんみたいに口うるさいところはあるけども」


「…お母さんみたい」


せめてお父さんにしてくれって
まぁどちらでも一緒か。


「料理は美味しいし、掃除もきちんとするし
ちょっとぼんやりしてるところはあるけど
優しいし
オタクだし、趣味はマニアックだし
根暗?とか思うし」


「最後はーー…褒めているのか?」


「だって付き合うって事は互いを認め合ってそれでも一緒にいたいと思えるか、でしょ?
嫌な事も許せるから、一緒にいれるんでしょ?
好きなところじゃなくて嫌なところも認めれなかったらきっとずっと一緒にはいられないよ
ハルはたとえば山岡さんの嫌な部分を知ってても好きでいられると思う?」



嫌なところ?
それってこれから知っていくもんだろ。
それに嫌なところなんてきっとないだろう。……何を根拠にそんな事を言えたというのだろう。
俺はまだ、山岡さんの事を何も知らないくせに


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