【完】ボクと風俗嬢と琴の音
「ちょちょちょ!!!困ります!冗談です!いらないです!」
「でも欲しいんだろ?可愛いんだろ?」
「それでもいらないんだってば!
今はあんまり興味ないし
持ってなくても困らないし」
「じゃあ何が欲しいんだよ。せっかく外に連れ出せたんだから、琴子が好きな物を買って、好きなもんを食おう」
これだから金持ちは~
お坊ちゃまは~
「じゃあ………」
そう言って大輝を連れ出したのは、ペットショップだった。
それには彼も唖然としていて「くせぇ!」と終始不機嫌になる始末。
「これです!ロイヤルカナン
意外に高いんですよね~」
「3000円、だと?」
「月の出費が意外とかかるのよね~
育ち盛りな子だから~」
琴音のご飯は基本的にハルが買ってくる。
それなりの値段だからきっと体にいい、と謎理論を打ち出して、琴音様は少しだけ通常より高いご飯を頂いている。
時たまわたしがチュールを買っていくと、ハルは怒る。それでもわたしは時たま買っていく。琴音が喜ぶから。
琴音には出来るだけ長生きをしてほしいから、健康に良い特定のご飯しか食べさせたくないらしいのだ。
チュールは人間にとってのマックのような物だとハルは言う。
わたしはバリバリ マック食べるんだけど、ね。