【完】ボクと風俗嬢と琴の音
「晴人くん、24日って空いてる?」
「あ…あぁ…まぁ…」
「もしよかったら、一緒に…過ごしませんか…?」
余りに急な展開に俺は焦る。
寒いはずなのに、手に汗をかいている。
これってつまりアレか?
24日、クリスマスイブ。一緒に過ごすっていう事は
普通の友達なんかを誘わないよな。
うるっとした瞳を、山岡さんは俺へと向けていた。
「あーーーー晴人じゃんかーーー」
その時
大きな声で名前を呼ばれて
振り向いた先には
優弥とユカリさんが立っていた。
「えー?!なになに?山岡さんもこんにちはー
あ、デート?デートだよね?あっはははは、何かごめんねー声なんか掛けちゃってー」
「こんにちはー佐伯さんもデートですか~?
うわぁ~、綺麗な彼女さんですねぇ~佐伯さんやりますね~」
「あははは、まぁねー」
「こんにちは、美麗ちゃん。お久しぶり」
琴子の友達であるユカリさんは
綺麗だけど一瞬冷たい感じがするような人で
いや綺麗だからこそ冷たい感じがする、のか?
けれど琴子の友達で優弥の彼女で、さばけたタイプの美人さんだった。