【完】ボクと風俗嬢と琴の音
11.琴子「優越感に浸るような醜い感情は誰の中にもあるものだ」




11.琴子「優越感に浸るような醜い感情は誰の中にもあるものだ」









「何これ、かぁわぁいいーーーーーーー」


ピンクと青のイルカのぬいぐるみ。
両方頬に引っ付けてイーっと笑ったら、ハルは頬杖をつきながら柔らかい笑顔でこちらを見つめていた。


「これ、テレビ台に飾ろう。
ほら、見て!シンプルで面白みのないテレビ台が一気に華やかに」


「わざとシンプルにしてんだよ」


ハルは山岡さんと休日デートを楽しんだ。
お土産にとピンクと青のイルカのぬいぐるみを買ってきてくれた。
琴音にもそれよりほんの少し小さな、白いイルカのぬいぐるみを買ってきた。
琴音はそれを咥えて運び、ひとりでイルカと決闘ごっこをして遊んでいた。


ハルがぽーんとぬいぐるみを投げると、琴音が素早く走っていく。
それを見ながら、キッチンでわたしは携帯を開いた。




インスタの方ではキラキラとした投稿。
ハルが行くって言っていたしながわ水族館。
フォトジェニックな写真が数々並ぶ。


そしてツイッター。


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