【完】ボクと風俗嬢と琴の音
「イェーイ!飲もー!」
ユカリはわたしが上京したての頃働いていたキャバクラで出会って、美しい外見とは裏腹に男前のサバサバとした性格で
キャバクラが性に合わなくて風俗に行くって言った時も引き止めもせず、かといって風俗嬢であることも否定せずにいてくれて、とても付き合いやすい子だった。
東京に来て
唯一友達と呼べる友達。
「よ!デコボココンビ!」
そう言ったのはユカリの指名ホストの響。
わたしとユカリ、ふたり並んでいる姿を見て、笑った。
身長が165センチあるユカリに対し
わたしの身長は150センチ弱。
これは昔からのコンプレックスで、中学を機に一切の成長を止めたわたしの身体。
それでも一時期は諦めがつかなくて吐く程牛乳を飲んだが、1センチも伸びやしなかった。
そのせいで現在も乳酸系のものは一切苦手。
お腹下すし、結局身長は伸びなかったし、ふんだりけったりだった。
「やめてよ!背が高いの気にしてるんだから!」
「小人よりはマシでしょう?!」
わたしの自虐に響はお腹を抱えて笑った。
相変わらず失礼な奴。
「響さん、やめてよ。
琴子は小さい所が可愛いんだから」
そこにやってきて優しい言葉をかけてくれたのは、わたしの指名ホストの楓だ。
今日もちょ~かっこいい~!!
響が王道ホストなら、楓は可愛いタイプの弟系ホスト。
身長も男にしては高すぎずにちょうど良い!
背の小さいわたしにとって見上げるほどデカい男は首が疲れてしまうのだ。