【完】ボクと風俗嬢と琴の音
大輝には怒ってはいたものの、先日お店で指名してきて謝られた。
電話もラインも全て無視していたからだろう。
いかにわたしへ対する気持ちが本気か語られたけれど、そして大輝が悪い人じゃないって事も分かってるけど
容姿端麗。
お金持ち。
性格は少し難あり。でも実際は一途そう。
一緒にいて楽しくない事はない。だってだからこそ、ながーい時間を空気のように過ごす事が出来たのだもの。
アウトドア派で体を動かす事も好き。わたしも好き。
都内のタワーマンションを用意してくれると言って
はっきりと風俗を辞めてくれと言ってきた人。
でもそこには、琴音はいない。
新しい猫なんて、いらない。
この世界で琴音は唯一無二。
だけど、1年過ぎたら結局離れ離れになるんだ。その寂しさに耐えられるかな?
ハルのいない、寂しさに耐えられるのかな?
「ハル、プリン食べる?」
「うん、食べる。どこの?」
「これーセブンの。
めぇーっちゃくーっちゃおいしーいの!」
「おお、イタリアンプリン?
この小ささで240円か…
ケーキ屋のプリン並みに高いな」
「でもすごく美味しいの。
プリンなのにチーズケーキみたいなの」
「琴子は、甘いものはそんなに好きじゃないけど
カスタードとチーズケーキ系は好きだよね
おおおお、うめぇ」
「でしょ?
240円で買える幸せ~
この大きさもちょうどいいんだよ~
も~少し食べたいってくらいがちょ~どいい」