【完】ボクと風俗嬢と琴の音

「あのさぁ」


「んぅ~?」



しっかしマジうま。

甘いもの、そんなに好きじゃない。
けれどカスタードは好き。生クリームは駄目。



「コートいい色ですねって褒められたよ」


目の前のハルは嬉しそうに笑った。
わたしの心はモヤモヤしていた。
けれどそんな事バレたくないから、ニッと笑い返した。



「センスいいって言われちゃった。
水族館は綺麗だったよ。帰りにお寿司を食べて
初めて回らない寿司屋に入って緊張しちゃった~」


「へぇ、楽しそう」


ハルはプリンを食べながら
下を向いて、話した。こちらに目を合わせないように話してた。


「24日、一緒に過ごしませんか?って言われた」





’クリスマスの予定決まりそう~’
さっき見た彼女のツイッターを思い出していた。 そうか、良かった。クリスマスを一緒に過ごすなんて、本命じゃないか。
彼女がたとえ何人の男と遊んでいたって、最後に選ぶ男がハルであるのなら、それでいい。



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