【完】ボクと風俗嬢と琴の音
「好きだ………」
無表情でそう言う彼の顔を見て、ふっと笑いがこみあげてきた。
「何笑ってんだよ」
「だってそんな真剣な顔で好きだって言われたら、なんっかおかしくて…」
大輝はゆっくりとわたしへ小さなキスを落として
またわたしの顔をじぃっと見つめながら、シャツのボタンに指をかける。
ぱちん、ぱちん、とひとつずつ脱がされて行く。
わたしも、大輝のシャツに手をかける。
あらわになっていく上半身には、適度な筋肉がついていた。
「デリヘル嬢はやめろ」
「それは聞いた」
「隼人に言っておく」
「それは友人としてですか?」
「いくら金を積んででも辞めさせてやる。
大丈夫、隼人は金が好きだから喜んで交渉に応じてくれる」
「交渉って、あたしは取引きされる物かって
しかも大金を出す価値もない」
大輝の瞳が優しく笑った。
そして再びわたしの唇にキスを落として、ブラジャーのホックを片手で器用に外していく。