【完】ボクと風俗嬢と琴の音
「北海道だったら溶けないのにね?」
「何が?」
「雪だよー。1回降ったら1週間は溶けないシステムにしてほし~い」
「琴子は北海道の冬を知らないからそう言える!」
こちらへビシッと指をさして、ハルは得意げに言ってきた。
「だって九州はもっと降らないですもん」
「北海道人は日々雪に翻弄されて生きているのだ。
雪はね、つらら、水道管の凍結。
今頃かーちゃん雪はねが大変だぁ~って文句言ってるんだろうなぁ」
「ハルのお母さんってどんな人?」
「ん~普通のかーちゃん。
何か肝っ玉かーちゃんみたいな。とーちゃんは亭主関白っぽいように見えて物静かな人」
「へぇ~ハルが物静かなのはお父さんの遺伝なのかな?」
「いや俺って物静かか?!琴子といる時はよく喋ってる方だと思うけど
どっちにしてもとーちゃんにも似てない。あの人は物静かだけど大切な物事はハッキリ言う人だから、余計な事を言わないだけで
だから俺とは全然似ていない」
「ハルも……大切な物事はハッキリ言える人になるとイイネッ」
「うるさいなぁ。
あ、でも妹は琴子と気が合う気がするっ」
「あの170センチある妹さん?」
「あっはははそんな事よく覚えているなぁ」
忘れるわけないよ。
初めて会った日に、話してくれた事だったよね。