【完】ボクと風俗嬢と琴の音
ハル午前中から、山岡さんとクリスマスデートに出かけて行った。
…プレゼント用意してんのかね。きっと山岡さんは期待しているだろう。
山岡さんの好きなブランド教えてあげれば良かった。インスタから仕入れた情報だったけど。
でも意地悪して教えなかった。…ハルも何がいいかな?なんてわたしに聞いてもこなかった。
コタツ、あったかい。
琴音もお気に入り。
わたしの足元にふわふわとした毛があたる。
何かそれだけで、幸せなクリスマスだとも思える。
うとうとしていたら、テーブルに置いてあった携帯が鳴り始めた。
眠い、無視しよう。そう思ってもしつこくずっと鳴り続けていた。
「あーい」
「おお、ココ、おはよう」
「なんだー店長かー今日あたし休みだって言ったじゃんかよぉー」
「別に出勤しろなんつー電話じゃねぇよ。
さっき大輝から指名入ってた。
ココは出勤してねぇから呼べないって言った」
「ふーん、そう」
「ココ………大輝は結構いいやつなんだよ。
ひねくれてるところもあるし、素直じゃないけど…うん、あいつはいいやつなんだ」
「何?大輝に金でも積まれた?」