【完】ボクと風俗嬢と琴の音

わたしってどうしてこうなんだろう。
目の前の誘惑に耐えきれなくて、考えが甘くて
いかに楽をして生きていけたらって事ばかり考えて


手荷物は小さなキャリーケースのみ。
近くの公園で缶ジュースを飲みながら、ベンチに座っている。
昼から公園にいるのなんて小さな子供か住所不定の怪しいおじさんだけで


ホームレスという未来を想像してゾッとする。


このままだったらいつか携帯も止まってしまうかもしれない!



ぐすん。


不甲斐ない自分に嫌気はとっくにさしている。
とにかく、今日眠る場所を何とか確保しなくては
リップスの事務所に寝泊まりさせてもらうか…そんな事を考えているうちに、携帯が鳴った。


着信は、ユカリ。


「もしもし」


「もしもしユカリ?!うわぁーん!」


ユカリの声を聞いて、すぐに泣き出してしまう。
電話口で「どうした?どうした?」とユカリは焦っていた。


理由を説明したらさすがのユカリも呆れた声を出した。


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