【完】ボクと風俗嬢と琴の音
13.琴子「公然せざるを得ない事実」




13.琴子「公然せざるを得ない事実」








「あの、あのね、ユカリ」


「いえー!!ハッピーバースデー&ハッピーメリークリスマース!」


「琴子ちゃん、ピザ!ピザ買ってきたよ~っチキンも~!」


「でもケーキ買ってきてないじゃん」


「あ、俺ケーキ買ってこようかな?!」


「優弥くん、フツー、シャンパン買ってケーキ忘れる~?」



何故か電話で叩き起こされて、そうしたらユカリが近くまで来ているって言って
気が付いたらマンション前まで着いていて
そして強引に玄関前までやってきてしまった。


わたしは慌てて琴音を自分の部屋に閉じ込めて
どうにかして中に入れない方法ばかり考えていた。




「つーか良いマンション住んでんじゃん」


「僕たちが年明けから同棲するマンションよりずっとイイネ、ユカリくん」


「何その口調、ムカつくわー。
まぁケーキはいいかぁー
とりあえず琴子、中いれて」



入ろうとするユカリを、両手を広げて制止した。

ぴたり、と止まるユカリ。蛇のように鋭い目でこちらを睨んできた。

ど、どうしよう。汗が止まんない。


「おじゃぁまぁ~しぃ~まぁ~すぅ~」


「ユカリ、待って待って!」


「何よぉ~?誰かいるとか?」


「誰もいない。全然いない。
せっかくだから、外でご飯食べない?」

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