【完】ボクと風俗嬢と琴の音
「ピザを買ってきたのに?」
優弥さんの持っている袋を指さす。
「チキンも買ってきたのに?」
優弥さんはチキンとピザの入っている両手を掲げた。
でーすーよーね?
でも駄目。
ハルがいないとしても、中に入ってしまえばハルの気配に優弥さんならば気づくだろう。
だって琴音だっているし
うーんうーんと頭をひねって良い案を考えている時、だった。
「琴子っ!」
ハルのわたしの名を呼ぶ声が聞こえて
ジ・エンド。
振り向いたユカリと優弥さんは余りにも驚いたのか「「あ!」」声を合わせてそう言って
両手に持っていた袋を落とした。
シャンパンも大きな音を立てて床に落ちた。
「ぎゃー!割れてない?!割れてない?!」
「だ、だいじょうぶ。セーフ!」
「良かったぁー優弥くん」
「良かったねーユカリちゃん。
つーか、晴人……何でお前ここにいんの?」
ごもっとも。
わたしとハル。リビングでふたり正座させられ
何故か琴音もわたし達の隣で座り込んで
事情を説明せざる得ない状況になった。