【完】ボクと風俗嬢と琴の音

「おかえり」


「ねぇ見て見て。じゃじゃーん」



福袋を両手いっぱいにかざすと
おぉとハルは目をキラキラとさせた。



「スタバ…
カルディ…」


「コーヒー好きなあなたの為へ、フォー・ユー」


「ありがとうごぜぇます」


「良い良い。それにこれメンズの福袋っ!」


「おぉっいいの?金払うか?」


「いいよいいよ。全然高い物じゃないから」


「サンキュー福袋って中を見る楽しみがあるよなぁ」



ガサガサと紙袋を開けて行くハル。
「今日どうだった」と中身を開きながら聞いてくる。
わたしも自分に買ったレディースの福袋を開ける。



「楽しかったよぉー
大輝はかなり不機嫌になってたけども
でもあの人何だかんだ優しいから行列に並んでくれてんの」


「ふーん。あ、このティーシャツいいな」


「それでねマックとか食べた事ないとか言ってんの。
どんだけお坊ちゃまだよって、でもコーヒー美味しいって言ってた。
そんでバスケして
あたしのが全然上手でさ
ウケるよね、あの人」


「へぇ~」


「あ、この色嫌い。
ハルはー?今日何してたー?」


猫はガサガサとした音が大好き。
わたし達が福袋を開けていると、側に寄ってきて
破られたビニールにじゃれついて遊んでいる。


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