【完】ボクと風俗嬢と琴の音
「あなたは誰にでも優しくて…それはわたしも勘違いしてしまうほどで…
頼りなさそうと思ってたけど…あなたは底抜けに優しくて
それにコーヒーは美味しいし…
はぁー」
「大丈夫。そのまんまの山岡さんを好きになってくれる人は現れるよ」
「はぁーーー…振った女にその仕打ちも天然がなせる技なのでしょうか…
けれどたこ焼きキーホルダーとマフラーには何も罪がありませんから頂きます」
「えぇ、もちろん」
「だから、わたしのプレゼントも突き返したりせずに受け取ってください。
だって物に罪はないですからね?」
そう言って、山岡さんはあの日くれたマフラーをバックの中から取り出した。
「物に罪はないですからね!」
そう、強調して
思わず笑ってしまって「はい」とそれを受け取った。
どうして俺はちゃんとこの人を見てあげなかったのだろうか。
上辺や聞いた話でこの人の事を決めつけて
余計な遠回りして、結局傷つけてしまって
ほんっと俺って、ダメな男。