【完】ボクと風俗嬢と琴の音
「い~のうえっ!」
相当酔っぱらっているであろう早瀬がやってきて
俺の後ろから抱き着いてきた。
「二股はいけませーん」
「はぁ?何が?」
「年前に俺見ちゃったんだよぉ~ん。
お前がスーパーで女とふたり楽しそうにしてるところっ」
「え?」
「よくよぉ~く見て見たらあの合コンに来ていた金髪のちっけぇ女の子ではありませんかぁー。
何お前ら同棲でもしてんの~?
あの夜仲良くふたりで消えちゃったりしたもんなぁー?」
「そんなんじゃねぇし」
マジでうざいこいつ。
つーか厄介な奴に見られたもんだよ。
そこに優弥がやってきて、飲みすぎだと早瀬を宥めたけれど
早瀬はそれからも続けた。
「それでさぁー俺どっかであの子見た事あるような気がして
そしたら偶然この間歌舞伎町で会っちゃって話掛けたわけよー」
「はぁ?!」
何でお前が……
早瀬がニヤリと笑って
俺の耳元で小さめに囁いた。
「あの子、風俗嬢っしょ?
お前がそういうタイプと付き合うとは思ってもみなかったわぁー
で、夜はやっぱりいいの?プロはやっぱり違う?
いいなぁー。店教えてよ。俺も指名しっちゃおっかなぁー」
薄汚い軽薄などぶのような男が
それを聞いた瞬間、俺は早瀬に馬乗りになっていた。
そして殴り掛かった。