【完】ボクと風俗嬢と琴の音
「もしもし?琴子?」
「ハル?!ハル?!琴音が琴音が…
何か目がパンパンに腫れて…開かなくなってる!!!
琴音の目が見えなくなっちゃうーーーーーーーーーー!!!」
「ちょ、落ち着けって
何があった?」
「だから琴音の目が見えなくなっちゃうーーーーー!!!!」
「ちょっと待って。今タクシーで家に帰る途中だから
ちょっと落ち着いて待ってて!」
「うぇーーーーーーーーーーん」
「うるさっ
すぐに着くから、とりあえず待ってて」
小屋から抱きかかえて
鼓動の音を聞く。
勿論生きてる。体も温かい。
けれど目がパンパンに腫れていて、心なしか元気がなさそうに見える。
目の周りには黄色い膿が乾いて、張り付いている。
あの可愛い琴音の顔が………
琴音は普通に歩いて、お水を飲んでいる。
別に寝込んでいるわけではなさそうだけど、顔を見るだけでも痛々しい。
このまま目が開けれなくなったらどうしよう。
そんな事を悶々と考えていると、ハルが帰って来た。
「ハルっ」
息が上がっている。
片目が開かないまま、琴音はミャーと言ってハルへ近づいていく。
琴音へ顔を近づけてジーっと見つめる。