【完】ボクと風俗嬢と琴の音
俺の部屋に天使がいる!
その出来事だけで浮足立っているのが分かる。
さっきまでむさ苦しかった部屋が、何か良い匂いがする気がする!
ちゃんと掃除しておいて良かったぁ~!!
と、トイレ大丈夫だったよな?!さっき念入りに掃除したばっかりだし
棚の埃も落としたし、今日は床の水拭きもしたからバッチシなはずだ!
お気に入りのコーヒー豆を取り出して、お気に入りのカップを用意する。
良かった~先週コーヒー豆買っておいて。
たまに良いコーヒー豆を専門店で買ってきて、休日にゆっくり飲む特別な時間。
普段はインスタントなんだけど。
「あ、猫いるじゃん!テレビの後ろに隠れてる」
優弥がテレビ台の後ろに手を伸ばして、隠れている琴音を無理やり抱き上げる。
「うわぁ~!!可愛い~!!毛ふっさふっさだね~!」
しかし優弥に爪を出して、腕の中から降りた琴音は「うーーーーーーー」と唸っている。
ふっわふわな毛を逆立てて、優弥に対して威嚇する。
うわぁ、やっぱりダメか。
子猫の時から俺以外に会った事がないから
他の人間に懐くかどうかなんて分からなかった。
「えー、俺めっちゃ嫌われてるじゃん!てか腕から血が出たぁああ!!!!」