【完】ボクと風俗嬢と琴の音

「もうずるいなぁ~…
振った女にそんな事言うなんてさぁ~…
自然に女のときめくポイント知ってるんだから。
琴子さんだって…晴人くんの事好きなんじゃない?」


「いや、ナイ。
それは絶対にないよ。
全然男として意識されてないの分かるし…
まぁこう俺って頼りないって感じだしさ。どっちかってと琴子の方が男らしいし」


「晴人くんはすごく男らしいと思うよ」


「んな事ないって。
それに俺たちの同居生活は6月で終わりなんだ。
最初からそういう約束だったから」


「え…でも晴人くんはそれでいいの?」


「うん。いい」


「へ~んなのっ
あたしだったらたとえ相手に想われてなくたって可能性がゼロだって
自分の想いは伝えるけどなぁ~…」



山岡さんは納得いかないって顔をしていたけど。

本当にそれでいいんだ。

もう余計な事で悩ませたくない。

残りを

特別だった1年で残して置きたい。


時たま引き出しから開けて

宝物だったなぁって思えるような時間を過ごしたい。



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