【完】ボクと風俗嬢と琴の音
「じゃあ、俺と付き合う?」
「意味わかんない…。
でもぉ…
ひとりで頑張って見て…いつかハルの事も忘れる事が出来て
その時ならいいかもしれないなぁ~…
10年くらいかかるかもしれないけど」
「それでもいいよ。待つよ」
「なんて冗談だよ。大輝本当に待ってそうで怖いし」
「はぁ~~~~~」
大輝は大袈裟に深いため息を吐いた。
今はきっと平和な毎日。
そうであって欲しい。
あの家を出ていくまでは。
だからどんなにハルに触れたいと思っても、絶対に触れない。
綺麗なあなたをわたしの汚れた手で触りたくはない。
だからほんの少し
ほんの少しの時間だけで良い。
後少し。
何気ない普通の毎日をあなたと過ごせたのならば
きっとわたしは、死ぬまで生きていける。