【完】ボクと風俗嬢と琴の音
「え?琴子ってO型なの?」
「そうだけど~?ハルは何型だっけ?」
「俺もO型」
「ぽいよね~O型の人っておおらかな人が多いから~
ハル知ってる~?O型の夫婦からはO型しか産まれないんだって」
「あぁ、そうだな。俺の両親もO型で妹と俺もO型だ。
そういえば」
「そうなん~?あたしんちも両親がどっちもO型で、そういやお兄ちゃんもO型や」
「じゃあ俺たちが結婚したらちょ~O型じゃん」
と言ってしまって
思わず硬直してしまった。
自分で言っておいて、目の前にいる琴子もぴたりと動きを止める。
バカバカバカバカバカ。
俺何言ってるんだ。
思わず顔を横に背けて「なんて、ありえない事だけどね」と言ったら
琴子は口を大きく開けて大笑いした。どうやら俺が動揺した事はバレてないみたいだ。
「あ、そういえばバレンタインと言えば
山岡さんからチョコ貰ってた」
「マジで?お返ししないと駄目じゃん」
「でも、義理だから全然そういう変な理由はないからって強調されたけど…
てかずっと会社の鞄にいれっぱになってる…」
「あんた最低だね…」
そう言いながら琴子が俺の鞄を漁る。
そこからは数週間前に山岡さんから貰ったチョコレート。
それを見た琴子は苦笑いをした。