【完】ボクと風俗嬢と琴の音
「何それ~乙女趣味だなぁ~」
「今年は開花宣言が早いらしい」
「あ!桜?
お花見した~い!お花見さいこー!」
予想以上にはしゃいでる琴子は、嬉しそうにお花見なんだよ~と琴音に話をかけていた。
「じゃああたし、ユカリに言っておくね?」
「え?」
「ん?」
「あぁ…じゃあ俺も…
優弥に言っておくわ…」
ふたりで、ってことだったんだけど!
まぁいいか。花見は大勢の方が楽しいもんだし。
「あたしとハルでお弁当作ろうよ~
そんで皆で食べよ~」
「そうだな…」
だよな。
2人で花見に行く理由もないし。
俺はふたりで行きたかったんだけど、それは俺の気持ちなだけであって
琴子は何でふたりで?とか思っちゃうよなぁ。
あぁ、片思いって切ない。
そんな事を何度も考えた切なすぎる夜だった。