【完】ボクと風俗嬢と琴の音
「でもパパとママには感謝してるけどね。
小学校までは貧乏だったんだけど、中学からはパパの仕事も上手くいって
わたしもお嬢様学校に行かせてもらえたし
でも本当のお嬢様とは全然違くて、そうなりたかったけど…
やっぱり元々の生まれつーもんは滲みついちゃってんのね。
だからわたしは本当のエリートをゲットしてーとか浅ましい考えもしちゃったりして」
「俺は今の山岡さんの方がいいと思うけど。
それに父ちゃんと母ちゃん立派じゃん。
どんな仕事だとしても子供を立派に育てている親は素敵だよ」
「そう、そうだよね…」
本当にこの人は知れば知る程面白い人で
「お花のような山岡さんもいいけども」
「何それ、お花?」
「皆山岡さんの事お花っぽいって言うじゃん。
可憐で儚げ」
「可憐で…儚げ…
頭を抱えたくなる案件だわ…。
まぁそう見えるようにイメージ操作をしたのは、自分自身なんだけどさ。
そしたらホワイトデーにこんな甘いお菓子ばっかり!
本当のわたしは、ビールにイカのスルメをつまみに飲むような女なのに」
「あははは~いーじゃん、そういう一面も見せてさ
人間らしいよ」
「でもお花は好き。
あ、これ別に作ってるわけでなくてね、お花は好きなの。
元ヤンのママがガーデニングなんつーもんにもハマってるしさ」