【完】ボクと風俗嬢と琴の音
17.琴子「嫉妬してもいい権利など無い」
17.琴子「嫉妬してもいい権利など無い」
けッ!!!!!!!!!!
3月中旬。
東京では例年より少し早い開花宣言。
近所の河川敷は、薄紅色に彩られる。
柔らかい風が吹き、木々が青々と芽吹いて、春の訪れを告げてくれた。
楽しみにしてたのに…
楽しみにしてたのに…
朝早く起きて浮かれながら、ハルとキッチンに立つ。
おにぎりとサンドイッチ。
卵焼きにウィンナー、唐揚げ。
ふたりで仲良く話しながら作っている時ハルが思い出したように言った。
「今日、山岡さんも来るから」と。
はぁ?!!!
何がどうなって、そうなった?
そんなの一言も聞いてない。
は????
自分勝手かよ。天然かよ。
山岡さんはお前の事が好きだっつってんのに…中途半端に気を持たせるような事しよって
けれど、これもわたしの自分勝手な考えなのかもしれない。
ハルと山岡さんは今も普通に仲が良い友達らしいし…ピーピーぎゃぎゃー騒いでも、1番関係ないのはわたしの方だ。
てゆーか、わたしって山岡さんと実際きちんと会うの
これが2回目じゃん。
SNS投稿は見ていたから、彼女を知った気にはなっていたけれども
SNS関連はあの日に全部消去した。だからその後の彼女の気持ちは知らない。