【完】ボクと風俗嬢と琴の音
「美麗ちゃんに誘われたんだけど?」
「あたしは誘ってない!」
「だから美麗ちゃんに誘われたって言ってるだろ?
人の話ちゃんと聞け。
つーかお花見って、マジで庶民は河川敷なんていって桜を楽しむのか。
もっと綺麗に見えるポイントは沢山あるのに」
大輝をキッと睨んで、ハルの方を向く。
何となくハルと嫌な雰囲気になったのあんたのせいなんだから、と大輝は何も悪くないけど大輝のせいにしたくはなるもので
けれど、ハルは笑っていたし、怒っている素振りすらも見せてないから一安心した。
「全く、こんなド田舎まで車を走らせて
わざわざ桜見るとか」
「帰れ!!!」
「はぁ?!誘われたからせっかく来たっつーのに!」
わたしと大輝のやり取りを見て、山岡さんはクスクスと笑いだす。
この悪女!港区女子!嘘つき!
心の中で悪態をつく。
今はどうかは知らないけど、SNSを見ていたわたしはあなたの本性を知っている。
…けど、ハルいわく、自分から港区女子を公表して、自分は嫌な女だと言っていたらしい。
それも作戦か?!なんて山岡さんは悪くないのに自分の中で嫌な気持ちがいっぱいになっていく。