【完】ボクと風俗嬢と琴の音
はぁ?!?!?!?!
何それ、聞いてないんですけど。
ハル、勝手に何言ってくれちゃってんの?
「あのクソ生意気な猫かよ。
俺は嫌い」
「あなたよりはずっと可愛らしいわよ」
「優弥たちも良かったら。
西城さんも……」
「はぁ?何かお前嫌そうな顔してない?
俺が家に行くのに何か問題でも?」
「いえいえ別に…
よろしかったら西城さんも
琴子、行こう」
行こう、じゃねーよ。
何勝手に約束してんだよ。
大体うちの家は他人の出入り禁止だろが。
最初に大輝いれたのはわたしの方だけどさ。
でもあれは大輝が無理やり入り込んできたようなもんだし…。
イライラして、どうしようもなくて、今日一日全然笑えなかった。
どうしても、ハルと山岡さんが楽しそうに話している姿が目に入ってきて
ハルは不思議そうな顔をした。
「どうした?琴子」
近寄ってきて、わたしの手を取ろうとしたから
反射的に手を振り払ってしまった。
そこにいた全員の視線が一気に私たちの方へ集まった。